ようこさんのモラハラ体験記
■ ようこ (30代、女性)
私が所属する部署は6人でチームを作り、毎月の締め切り日に向けて、作品を作り上げるのが仕事でした。数年前に入社した当時はアルバイトでしたが、入社3年後あたりから責任ある仕事を任されるようになり、自分の意見を少しずつ言うようになると、先輩二人の陰湿ないやがらせが始まりました。
はじめは「先輩の言うことだから」「きっと私の話し方やいけないんだ」「もっと言葉を選んで話しかけるようにしよう」と、多少理不尽だったり納得いかなかったりしても我慢していましたが、やはりどう考えても納得できなくなってきたのです。仕事関連で仲の良い人に相談するも、「あの人たちは、昔からそういう人なんだよ」「今度は君の番か、がんばって耐えろよ」と言われるだけで、何の解決にもなりませんでした。私の前にアルバイトをしていたという4人も、同じような嫌がらせを受けて、辞めていったらしいのです。
嫌がらせをしている現場をリーダーたちが見ていても、助けてくれるということはありませんでした。なぜならリーダーも副リーダーも、先輩二人よりも入社が遅かったからです。リーダーたちも「自分の方が上司だけど、経験からすると先輩になるから、先輩には何も言えない」と言うのです。
そうするうちにいやがらせもエスカレートし、不眠や胃痛、胃腸炎、持病のぜんそくの悪化などと、体調を崩すことが急に増えたのです。医者でもらう薬で病状は一時的に収まりましたが、また崩して…と繰り返すようになったのです。
■ 言葉/行動の具体例
- 先輩Aと相談して、先輩Aのアドバイスの元に進めた仕事を他の人が見て、「これは違うんじゃないの?」とその人が先輩Aに言うと、私に向かって先輩Aは「ここはどう理解してこうしたわけ?」と、さも全部私がミスしたという雰囲気に仕立て上げる
- 先輩Aは、私が離席していても電話を取らない。仕方なく私が取ろうと席まで戻ると、それを確認して電話を取る。リーダーがいないときだけする。
- 先輩Aは私宛に届いたFAXや郵便物は届けてくれない。
- 先輩Aは私が社にいないときに私宛の電話を取ると「いません。知りません。」と言うらしい。電話をかけてきてくれた人や、隣の部署の人からの情報。
- 先輩Aが離席中に先輩A宛の電話があり、近くまで行ってその旨はっきりと伝えたが、全然電話に出る気配がなく、リーダーが先輩Aに声をかけると「え?保留になってるの?」と明らかに白々しい態度で、いかにも私に落ち度があるように仕立て上げる。
- 企画会議で先輩Aが提案した企画に意見を求められたので、「その件が苦手な人は多いと思うので、詳しく伝えるのは賛成です」と言おうとしたが、「苦手な人は多いと思う」と言ったところで「だからやろうとしてるんじゃないか!」と突然怒鳴りだし、その後も怒鳴り続けた。話を途中までしか聞かずに勝手に話の方向を変えて、私をおとしめようとすることがよくある。
- 私が企画書を先輩Bに渡して提案しても、企画書を手に持ったままずっと黙り続け、あげくの果てには企画書を机に投げて、またパソコンに向かい自分の仕事を再開する。企画が気に入らないんだなと思い「どこがいけないでしょうか。どんなのがいいと思いますか?」と聞いてみるが全く無視される。自分の気持ちが乗るか乗らないかだけで判断する。
- 先輩Bは、帰省のお土産を私にだけ渡さない。
- 先輩A先輩Bともに、挨拶をしても無視する。目線もこない。
■ ストレス症状
<胃痛・胃炎・生理痛・ぜんそく>入社後半年で、ぜんそくが再発した。このときはまだストレスを自覚していなかった。症状はかなりひどく、毎週通院し2年で完治した。入社6年目ぐらいで、ストレス性胃腸炎と診断された。この頃は嫌がらせはありつつも、まだ自分の中で気持ちの解決ができていた。
入社7年目のころから、慢性的に胃痛がするようになった。嫌がらせがひどくなってきた頃。この頃から通院を始め、医者から胃カメラを勧められ診察したところ、胃炎と診断された。同時にぜんそくがまた再発、徐々に咳が出る頻度が高くなり、発作を抑える薬を常時持ち歩くようになった。生理痛もひどくなり、鎮痛剤を常に持ち歩くようになった。
<動悸>嫌がらせを受け始めて1年ほどたった頃から、先輩二人に話しかけようとすると動悸がし、書類を持つ手が震え始め、めまいがし、それらのせいで言いたいことを上手にまとめて話すことができなくなった。すると先輩もいらだつのか、またチクチクと嫌がらせをする、という悪循環に陥った。後ろからこちらに近づいてくるのがわかると動悸がし、パソコンを打つ手が止まり、体が固まってしまった。ふと私の視界に入っただけでも固まるのを自覚するようになった。
<食欲不振>嫌がらせを受けると必ず食欲が全くなくなり、それから丸一日ろくに食事がのどを通らなかった。胃痛を併発するようになってからは、3日間ぐらい食事ができなかった。
<不安・不眠>入社7年目で、嫌がらせがエスカレートしてきたころから眠れないことが増えた。仕事中の嫌がらせがいつまでも頭の中に残るようになっていた。なかなか寝付けないのに、早朝5時ごろに目覚めてしまう。昼間の仕事中に眠くなり、必然的に仕事のミスも増えて悪循環に陥った。
入社8年半のころ、胃痛でかかりつけの内科に行ったときに「仕事でストレスがあるの?」と聞かれ、思わず医者の前で大泣きしてしまったら、精神安定剤と睡眠薬を処方され、よけい不安に陥ってしまった。
■ 起こしたアクション
入社7年目のころは、嫌がらせが起こるたびに自己啓発の本を買い、なんとか対処法を見つけようとしていました。心のよりどころにしていたのです。
入社8年半のころ、テレビでモラル・ハラスメントの特集を偶然見て、「私が職場で受けているのはこれかもしれない」と自覚し、インターネットでモラハラに関する事柄を検索し、自分なりに勉強しました。
ネットで検索するうちに「職場のモラル・ハラスメント対策室」のサイトにたどりつき、ここなら話を聞いてもらえるかもしれないと感じました。友人や職場の仲間ではなく、客観的にこの状況を判断してもらえれば、これからどうしたらよいのかがわかると思ったのです。
でも、うつ病にかかっているわけでもないし、私ぐらいの悩みを抱えている人は全国に5万といるだろう、「きみの悩みなんてちっぽけなもんだ」「きみが悪い」と言われるのかもしれない…とも思ったのですが、思い出す限りの事例をすべて書き出し、それを持って個別相談の予約をしました。
■ 改善のきっかけ
■ 対象者の変化
■ 自分の変化
■ 現在の状況
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