モラル・ハラスメント > モラル・ハラスメントの手口
モラル・ハラスメントが、職場全体(部下全員)に行われた場合、被害者が大勢おり、いざという時には一致団結できるという安心感があったり、被害者同士が慰めあったりすることができるために、比較的精神的ダメージは少なくてすみます。
モラル・ハラスメントで、最も恐いのは、特定の個人にターゲットを絞ったケースです。
加害者はその人物に標的を定めると、たとえば、「あいつは仕事ができない」、「性格がおかしい」など、相手を非難するそれは次第に周りの人間によって受け入れられ、支持されていく。相手に対するこの非難はいよいよ暴力が激しくなった時にも、正当化の理由として使われることもある。その頃には被害者は本当に仕事ができなくなったり、性格がおかしくなっていることがあるからだ。
「モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない」 106 page
これまでまともに仕事をしていた人が、ある上司の元で、突然使いものにならなくなった(もしくは、そのような評判が立った)場合、モラルハラスメントの被害を受けている可能性があります。
モラルハラスメントの被害にあったことがない人からすると、いくら上司が権力を握っているからと言って、部下をそこまで追い詰めることができるわけがない、追い詰められる人間が弱いからだ、と考えるかもしれません。ところが、被害者が受けているモラルハラスメントは、外から見ても全くわからないほど、計算されている場合も少なくありません。
加害者が被害者を追い詰める手口というのは、上司という権力を活用し、最初は些細なプレッシャーをかけたりする行為だったりするのですが、怒鳴りつける、人間性を否定する発言をする、無視する、不機嫌な態度を示し続ける、監視する、必要な情報を伝達しない、など、ありとあらゆる手段を用いて、時間をかけて被害者を追い込みます。
想像してみてください。朝、上司が出社する度に挨拶をしても、無視されたり、それどころか挨拶に対して嫌な顔をされたりすることを。しかも毎朝毎朝・・・。それでいて、挨拶をしないと、あいつは礼儀がなっていないと、これみよがしに悪口を言われる・・・。
そんな状況がしばらく続けば、集中力もなくなり、ミスも増えるでしょう。そのミスがチームの他のメンバーに迷惑をかけることになれば、チームからも孤立化していき、本当に使いものにならなくなってしまう・・・。また、チームメンバーからも、自分がハラスメントの対象にならないように、そのハラスメントを後押しする、なんてことも当たり前のように起こっているのです。
最近、職場の人間関係で「うつ」になり、休職や退職に追い込まれる社員が急増していますが、その背後には、このようなモラル・ハラスメントが行われていることは少なくないはずです。
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