パワー・ハラスメント
職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること。
「許すな!パワーハラスメント」 19
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これが、パワー・ハラスメントという言葉を生み出した岡田康子氏(クレオ・シーキューブ代表)の著書にある、パワー・ハラスメントの定義です。パワーハラスメント(パワハラ)は造語であり、和製英語です。Sexual
Harassmentは英語でも通じますが、Power Harassmentは英語では通じません。
パワー・ハラスメントは、多くの場合、怒鳴ったり大声で責めたりなど、周りからみても明らかにやりすぎだというケースが多く、それを指摘するのは、それほど難しいことではありません。例えば、上司や先輩が、部下や新人に対して、繰り返し必要以上に大声で怒鳴ったり、厳しく叱責したりするようなケースなどです。
実際のところ、日本では次の二つのパターンが、パワーハラスメントとして大きく認識されているような感じがします。
- リストラを目的の退職に追い込むためのハラスメント行為
- 心理的に追い詰められた上司によるストレス習慣としてのハラスメント行為
■ リストラを目的としたパワー・ハラスメント
日本でパワーハラスメントという言葉が、短期間でここまで普及した背景には、近年猛威を振るったリストラの嵐があったからであることは間違いありません。
つまり、一般的に企業が社員を解雇する場合、次のような費用がかかります。1)解雇予告手当として一ヶ月分の給与を支払う、2)会社都合としての退職金額(通常自己都合退職金より高い)を支払う、それに加えて、3)各自治体などから支給されている助成金・補助金などを受けられなくなってしまうというペナルティーが課せられるのです。あまり知られていませんが、実はこの3)は結構な金額になるのです。
それに対して、パワーハラスメントにより社員を追い詰めて、自己都合で退社させることができれば、これらの出費を抑えることができるのです。勤務期間等にもよりますが、中高年の管理職クラスであれば、その費用は100万円は下らないでしょう。
これまで出版された、パワーハラスメントに関する代表的な著作は、この「許すな!パワーハラスメント」と、「パワーハラスメントの衝撃(金子雅臣)」ですが、これらの著作の中で紹介されている事例の多くは、リストラなどの解雇を目的とした、上司(及び組織)による嫌がらせのように感じました。
■ ストレスを抱える上司からのパワーハラスメント
怒り・不安・緊張などのストレス・フラストレーションを解消するために、人は様々な反応を示すことが知られています。その際、忍耐強く冷静に障害を回避したり、それを克服する努力をして、合理的に緊張を解消しようとする人もいれば、非合理的な感情的反応を表して、事態に上手く対応できない人もでてきます。
もっと簡単にいえば、リストラ圧力、目標達成などの心理的プレッシャーから逃れるために、誰かに「あたる」ことで、一時的に自分の心の平静を保とうとする上司がいるということです。
「追い詰められた心理」に取り付かれた上司の「いじめ」や横暴な振る舞いは、多くの場合、その人自身の「性格」によるものではなく、「ある状況」が引き起こしたといっていい。昨今の、リストラをはじめとする職場環境の変化が、上司を精神的に追い込んでいるのは間違いない。・・・そうした上司の多くは、自分がよじれた心理状態に追い込まれていることをある程度は知っている。
「問題上司 - 困った上司の解決法」 24-25
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職場ハラスメントの分類のページでも取り上げているように、提唱している人物がそれぞれ異なるので、パワー・ハラスメントとモラル・ハラスメントは、混同されていますが、モラル・ハラスメントを提唱しているイルゴイエンヌは、上記で説明したようなパワー・ハラスメントも、モラル・ハラスメントに含めています。
反対に、岡田康子氏のパワー・ハラスメントの定義で含まれていないのが、「自己愛性格」「静かに・じめじめと・陰湿に」という概念なので、管理人は、モラル・ハラスメントの特徴として、この2つを強調しています。

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